「包茎は恥ずかしいけど、できれば手術はしたくない・・・」「できれば自分で治したい」「手術以外で包茎の治し方を知りたい」そんなふうに考えている方は多いでしょう。この記事では自力で治そうとするときの注意点、クリニックでの治療法まで詳しく解説します。 この記事でわかること ・包茎の基礎知識・包茎は自然に治る?・包茎のリスク・包茎のを治すには? 包茎は自力で治せる?まず知っておくべき基本知識 「包茎をなんとか自力で治したい」「まだ若いから放っておけば治るかも」このような考え方の人は少なくありません。しかし、包茎の種類や状態によっては、自力で治すのが難しいケースも多いのが実情です。 まずはご自身の包茎のタイプや状態を正しく理解することが大切です。ここでは、包茎の種類や自然治癒の可能性、放置することで起こり得るリスクについて詳しく解説します。 包茎の種類(仮性・真性・カントン)と状態ごとの特徴 包茎は大きく分けて、以下の3つのタイプがあります。それぞれ治療の必要性や方法が異なるため、自分がどのタイプに当てはまるのかを知ることが重要です。 仮性包茎 通常時は亀頭が包皮に覆われていますが、勃起時や自分の手で包皮をむくことができる状態です。生活に支障がない場合もありますが、不衛生になりやすく性行為時にトラブルが起きることも多いため、治療を検討する方が増えています。 真性包茎 包皮が狭いため、通常時も勃起時も亀頭を露出できない状態です。衛生面での問題や、性病リスク、排尿障害など健康被害につながることがあるため、医師による治療が強く推奨されます。 カントン包茎(嵌頓包茎) 無理に包皮をむこうとすると、包皮が締めつけられ、亀頭が腫れて戻らなくなる危険な状態です。この場合は早急な治療が必要であり、自力で治そうとするのは非常に危険です。 i 真性・カントン包茎は急ぎ治療が必要な場合があります。正確な診断は専門クリニックで受けることをおすすめします。 包茎は自然に治ることがある? 「年齢とともに包茎が自然に治る」という話を耳にする方もいるでしょう。これは乳幼児期〜思春期前後の子供に限って当てはまるケースです。 ここでは世代別の包茎について解説します。 乳幼児期の包茎 生まれたばかりの男児はほぼ全員が包茎の状態です。乳幼児の包皮は亀頭と癒着しているため、無理に剥こうとすると出血する危険もあるため、自然に癒着が剥がれるのを待ちましょう。 3~5歳で亀頭を露出させる事ができるようになりますので、それまでは無理をする必要はありません。 →包茎~日本小児泌尿器科学会~ 思春期 10~15歳程度になると、ほとんどの男児が亀頭を露出する事ができるようになります。このとき、仮性包茎のように完全に露出しない場合もありますが、医学的に問題はありません。 真性包茎のように全く剥けない場合、心配であれば泌尿器科を受診したほうが良いでしょう。 成人以降 陰茎のサイズが成人サイズになっているにも関わらず、亀頭に包皮が被っている状態の場合、自然に治癒する可能性はありません。 また、年齢を重ねると皮膚がたるみ、剥けていた人でも仮性包茎になる場合があります。 i 大人になってからの包茎は、自然に治癒する事はないため、衛生的・病気の心配・心理的な要因がある人は早めに治療したほうが良いでしょう。 【関連記事】男子の悩み!包茎は恥ずかしい?子供が包茎だったら親はどうしたらいい? 放置するとどうなる?包茎のリスクとデメリット 包茎を放置することで、以下のような身体的・精神的リスクが生じる可能性があります。 1️⃣ 不衛生になりやすい 包皮内に恥垢(ちこう)や雑菌がたまりやすくなり、炎症や悪臭、かゆみを引き起こすことがあります。特に真性・カントン包茎の場合は洗浄が難しく、慢性的な包皮炎や尿路感染症のリスクが高まります。 2️⃣ 性病リスクが高まる 包皮内が不衛生な状態だと、性行為時に性感染症(クラミジア、尖圭コンジローマ、HIVなど)の感染リスクが増加します。また、パートナーにも感染させてしまう恐れがあります。 3️⃣ 性行為時のトラブル 包皮が邪魔になって性交痛や破裂などのトラブルが起こることがあります。性行為に対する自信喪失やコンプレックスの原因になる方も少なくありません。 4️⃣ 将来的な合併症 真性・カントン包茎は放置すると腫瘍リスクが高まるという報告もあります。重篤な合併症を避けるためにも、適切な治療が推奨されます。 i 包茎は「恥ずかしいから…」と後回しにしがちな悩みですが、放置することで健康や生活の質に悪影響を与えるリスクがあるのは事実です。 包茎の自力での治し方|矯正グッズやストレッチは有効? 「手術は怖いから、まずは自分で治してみたい」そう考える方は非常に多く、インターネットやSNSでも包茎を自力で治す方法がさまざま紹介されています。 ここでは代表的な矯正グッズやストレッチ法の効果と注意点について詳しく解説します。メリット・デメリットを正しく理解した上で、ご自身に合った選択をしていきましょう。 矯正グッズ・矯正下着の種類と特徴 市販されている包茎矯正グッズには以下のようなものがあります。包茎矯正グッズは、包茎が改善するという医学的根拠は一切ない事は理解しおく必要があります。 ■ 包茎矯正リング・矯正器具 包皮をむいた状態をキープするリング状の器具 日常生活中に装着し、徐々に皮の伸びを促すことを目的とする 主に仮性包茎向け(真性・カントンには使用不可) 陰茎が壊死した事例がある →【参考文献】陰茎壊死を来した陰茎絞扼症 ■ 包茎矯正テープ 包皮をテープで固定してむけた状態を保つ 医療用ではない 皮膚のかぶれや炎症を引き起こすリスクがある ■ 包茎矯正下着 特殊な形状で亀頭部を固定し、包皮がかぶらないようにするもの 矯正効果は限定的で、見た目改善程度の目的が多い →包茎矯正リングは効果ない?効果やリスクを解説! 自力ケア(ストレッチ・矯正)の効果と限界 ストレッチ(皮膚を伸ばす運動)は、軽度の仮性包茎の場合に一部効果があるとされます。例えば、お風呂上がりなど皮膚が柔らかい状態で、無理のない範囲で包皮を少しずつ引っ張る運動などが紹介されています。 ただし注意が必要なのは以下の点です。 自己判断で強引にストレッチすると皮膚が裂けたり、炎症・感染の原因になる 真性包茎・カントン包茎は皮自体が狭いため、ストレッチでは根本解決できない 継続的に数ヶ月〜年単位で行っても、必ず改善する保証はない 自力治療を試す際の注意点と失敗リスク もしどうしても「まずは試してみたい」という場合は、以下のポイントに十分注意してください。 痛みや出血が出た時点ですぐに中止する 真性・カントン包茎ではセルフケアは行わない(悪化リスクが高い) 短期間で効果を求めず、長期的な視点で安全第一で行う 異常があった場合はすぐに専門医に相談する 実際には、多くの方が「思うように改善しない」「皮が戻ってしまう」「炎症を起こした」などの問題を経験しています。その結果、最終的には医療機関での相談・治療が必要になるケースが大半です。 i 矯正グッズやストレッチで「治った」と感じても、生活習慣や時間の経過とともに再発するケースも非常に多いです。 また無理なセルフケアによって状態が悪化し、最終的に手術が必要になることもあります。 包茎を確実に治すには?クリニックでの手術が選ばれる理由 「自力での改善には限界がある」と感じた方も多いのではないでしょうか。事実、包茎を確実かつ根本的に改善する方法は、専門クリニックなど医療機関での手術しかありません。 ここでは、包茎手術の種類や流れ、メリット・デメリット、費用感などをわかりやすく解説します。ご自身に合った治療選択の参考にしてください。 包茎手術の種類とそれぞれの特徴 現在、クリニックで行われている主な包茎手術は以下の通りです。包茎のタイプや仕上がりの希望によって適した術式が選ばれます。 ■ 環状切開術 包皮を円状に切除して亀頭を常に露出させる手術 最も一般的で確実性が高い術式 手術痕が目立ちやすい 仮性・真性・カントン包茎すべてに対応可能 ■ 亀頭直下埋没法 傷跡が亀頭の下に隠れるようにデザインする高度な術式 ...