最近、包茎手術や長茎手術、増大手術といった男性器の手術を受ける人が大変増えています。はっきりとしたデータはありませんが、大手クリニックの来院数などを見ると、年間1万人を超えているクリニックもあり、恐らく年間10万人ほどの人が手術を受けているのではないかと推測されます。 顔の整形や医療痩身など、身体を医療で変える事が当たり前になっている事も要因でしょう。美容整形、形成外科の手術は、金銭面のトラブルなどが表によく出てきますが、実際は手術ミスなども多く起こっています。 特に男性器の手術は、手術した事自体が恥ずかしいと思っている男性が多いため、手術ミスなど大きいトラブルにも関わらず情報があまりありません。手術した医療機関側も、患者の個人情報になるため情報を表に出しにくいというのもあるでしょう。 そこで今回は、増加し続ける男性器の形成外科に関して、医療ミスの事例などリスク面を詳しく解説し、男性器の手術や治療を受ける人にリスクを知ってもらいたいと思います。 男性器の美容手術ってどんなものがある? 男性器の美容手術には主に、・包茎の治療・ペニスを長くする手術(長茎)・ペニスを大きくする手術(増大)・早漏を改善する手術・シリコンボールを挿入する手術・パイプカット・ペニスのブツブツ(フォアダイス)を除去する手術などがあります。 見た目へのコンプレックスの解消や、パートナーを喜ばせるためが主な理由になっています。男性器の美容手術は決して悪いものではありませんが、手術である以上リスクはつきものだという事は理解しておきましょう。 どんなリスクがあるの? ここでは手術に対するリスクを一部挙げていきます。 1、ペニスが壊死してしまう 薬剤の注入などで血流が止まり壊死する 2、傷跡が大きく残る 手術痕が大きく残って目立ってしまう 3、ペニスが変形してしまう 薬剤の注入箇所を誤りいびつになってしまう 4、出血多量などの事故 尿道や血管などを誤って傷つけてしまい出血してしまう 5、麻酔が効かない 麻酔の効きを確かめず、激痛を伴う 実際に起こった医療事故、医療ミス ここでは実際に起こった医療事故がどのようなものか具体例を一部挙げていきます。 包茎手術で包皮を切りすぎた事による痛み 包茎手術では、包皮を切除する前に包皮の長さと陰茎の長さを照らし合わせて、どの程度切除をするかデザインを行います。医師の技術が低い場合、デザインを行わない、もしくはデザインをうまく行えない状態で切除して包皮を切りすぎる事が起こります。 包皮を切りすぎるとずっと突っ張った感じがしたり、勃起時に包皮が裂けて傷になってしまう場合があります。 包茎手術で包皮が余る(ペリカン変形、提灯変形など) 包皮を切りすぎた場合と逆で、包皮を中途半端に切除し、そのまま縫合してしまうケースがあります。 包皮が余っているにも関わらず無理に縫合してしまうため、包皮がだぶついている状態になってしまいます。 →ペリカン変形の画像→提灯変形の画像 このような手術ミスは、美容クリニックだけではなく、保険診療が可能な泌尿器科や総合病院でも多数起こっているようです。 増大手術による亀頭の壊死 増大手術を行った際、ヒアルロン酸などの注入量を誤り、血管が圧迫され亀頭が壊死してしまう事があります。 また、注入針を刺す箇所が悪く、直接血管に注入してしまい、血管が詰まり壊死に繋がる事もあります。 →亀頭増大手術とは? 増大手術で吸収されない薬剤注入による壊死 増大手術で身体に吸収されない薬剤を亀頭に注入し亀頭が壊死してしまう事があります。 ヒアルロン酸など、体内に吸収される薬剤であればしばらくすると体内に吸収されるため、増大効果が永久に持続しないという反面、安全性は高めです。 しかし、バイオアルカミドやリパスなど、体内に吸収されない薬剤を注入した場合、そのまま亀頭に残るため増大効果は実質半永久的に続きますが、壊死したり変形したりした場合、細胞と癒着するなどして取り除く事が非常に困難です。 吸収されない薬剤の注入は危険が大きいため、しっかりとリスクを理解しておきましょう。 →50代男性が手術を受けペニスが壊死し船橋市の美容クリニックを提訴 →ペニス増大手術の失敗例 このような事故は、正しい技術をもった専門的な医師であればあまり起こるものではありません。しかし、近年手術を受ける人の増加で需要も増加し、クリニックも比例して増加。すると逆に医師が不足してしまい、経験の浅い医師が手術をして医療ミスを起こすという事例が多発しています。 医療ミスと直美(ちょくび)問題について 医師の不足により、「直美(ちょくび)」と呼ばれる医師がどんどん増えています。直美とは、初期研修が終わった医師が、「直接美容外科」に就職する事です。 就職するだけであれば特に問題はないのですが、ほぼ手術未経験に近い医師がいきなり美容手術を行う事があり、医療ミスを起こし事故に繋がっているのが問題になっているのです。 普通の医療機関であれば、未経験や未熟な医師に大した研修もせずに手術を行わせるというのはありえない話なのですが、利益を優先し、急拡大を続けたクリニックで実際に起こっている事実があります。これは男性器の手術だけではなく、美容整形、形成外科全般で起こっている問題です。医療事故と直美(ちょくび)問題は相関性のある事実と言えるでしょう。 →直美(ちょくび)医師って何?美容医療のトラブルで問題になっている直美医師について調査した記事はこちら 直美(ちょくび)医師ってどの美容クリニックにもいるの? 全てではないでしょうが、多くのクリニックに存在していると思われます。2024年の医師国家試験の合格者は9,547人とされていますが、そのうち200人程度が毎年直美(ちょくび)として美容医療業界に進んでいると言われています。 →直美の人数が年間200人という認識 どうして直美(ちょくび)医師が増えているの? 直美(ちょくび)問題については二つの視点で見ていく必要があると思います。 ①儲かる美容医療 美容医療が儲かる↓広告が増加↓ユーザーが増加↓クリニックが増加↓医師が不足↓直美(ちょくび)が増加↓医療事故が増加 ②儲からない保険診療 保険診療は儲からない医師免許取得後、安月給で働きたくない↓未経験医師募集高収入求人は増加↓直美(ちょくび)が増加↓医療事故が増加 このように、美容医療業界への就職が非常に高収入であることから、研修後すぐに美容医療業界に就職してしまうケースや、保険診療の医療機関で働いていたが、収入や医師として学ぶべき経験や責任感に耐えられず未熟なまま転職してしまうケースが多いようです。 本来美容医療業界も簡単な仕事ではないのですが、前述した美容業界の医師不足により、未経験医師を高収入で求人する事で、経験がなくてもすぐに稼げる業界として結果的に美容医療業界の評判を落としていると言えるでしょう。 結局美容クリニックは危険なの? 全てのクリニックが危険というわけではありません。「利益優先で患者の安全を考えない美容クリニック」が危険です。 美容クリニックは高い!というイメージが先行し、安いところを探そうという風潮が広がっています。もちろん、同じような手術を行っているクリニック同士であれば、安いほうが良いと思うのは当然です。しかし、本当に重要なのは金額ではなく「安全性」です。 どんなに安くても医療ミスで大変な結果になったり、ケガをしたり、後遺症が残ったり、最悪死んでしまうというケースも起こります。安かろう悪かろうではなく、手術を受けたいと思っている人は、何より自身の身体の安全を考えてほしいです。 安全な美容クリニックを選ぶ方法は? 安全かどうかは、当たり前ですが医師の技術によって決まります。そこでクリニックを選ぶ際は以下の事に注目しましょう。 1、医師の情報が明記されているか 医師の情報は、クリニックのホームページで公開されていますので、医師の経歴をしっかり確認しましょう。公開していないクリニックは、どんな医師に手術されるかわかりませんので、可能なら避けたほうが良いでしょう。 2、その医師が泌尿器もしくは形成外科の専門医か 日本泌尿器科学会、日本美容外科学会のホームページ上に、実際にその医師が専門医として登録されていれば検索すると出てきます。専門医はしっかりと経験を積んだ人ではないとなれませんので、信頼できる項目の一つでしょう。 →日本泌尿器科学会認定専門医検索はこちらから →日本美容外科学会専門医一覧はこちらから 専門医の多い大手クリニックを1つ紹介 ABCクリニックは男性美容クリニックの中でも、非常に専門医が多いクリニックです。また研修期間が長く、医師が現場に出るまでのハードルが高いため、スキルの高い医師が執刀に当たります。仕上がりだけではなく、安全という面でおすすめできるクリニックと言えるでしょう。 →ABCクリニックの口コミ・評判を調査した記事はこちら まとめ いかがでしたでしょうか?クリニック選びを間違うと医療ミスにより多額の手術費用を失い、ひどい仕上がりになり、最悪自身の健康をも失う事に繋がりかねません。 クリニック選びは専門医がいるクリニックを慎重に探しましょう。